謝る・謝らせるということ

『謝る・謝らせる』ということ


障害を持つ子どもたちは、とかくほめられることよりも叱られることの方が多いと思います。
そして、兄弟、姉妹、友達やまったく知らない人との間でも、様々なトラブルが多くあるでしょう。
叩いた、叩かれた、物を壊した、取り上げたetc・・・

結果として、『謝る』ということが多くなると思うし、親としては相手、あるいは自分(親)に『謝らせる』という場面も当然出てきます。
しかし、社会的ルールに従って考えた時の好ましくない行動、つまり、してはいけない行動をしてしまった時、その子に『今のはしてはいけないことだったんだ』という認識がないままに、日常的に『謝る』という行為を繰り返していくのは、謝ることによって安易に問題解決をしてしまうようになってしまうのではないか、また、『自己卑下』という二次障害につながっていくのではないかという心配を、今僕はしています。
僕の考え過ぎでしょうか・・・

こういう例があります。


「下校途中、障害のあるA君が娘に抱きついた」と女の子のお母さんから訴えがあり、A君も実際「ごめんなさい」と謝っているという話があったそうです。
しかし、双方の話を聞いてよく調べたところ、その結果女の子の言葉足らずの表現を、お母さんが早合点してしまったのだとわかったのだそうです。
日頃のA君の様子から、女の子の保護者に誤解されてしまったということと同時に、A君の方もこれまでの失敗体験の積み重ねによって、『叱られたら謝ってしまう』というその場しのぎの解決策を取るようになってしまったのです。


これって、とても危険なことだと思うのですが・・・

ADHDやLD、アスペルガー等の子どもたちは、社会的なルールがわからなかったり、聞く、話す、相手の気持ちを察する等のことが苦手だったり、悪いことをしているという意識が薄かったりします。しかしそれは脳の障害によるものであり、本人達に責任があるわけではありません。
悪いことをすれば叱り、相手や相手の物を傷付ければ謝る・・・
これは当たり前のことでしょう。
しかし、こと障害児に関して言えば、もっと思慮を持って対応していく必要があるんじゃないかなって思います。

それじゃ、僕自身は具体的にどう考えているかですが・・・
実はその点で、とーーーーーーっても悩んでいます。
衝動性のある子の場合、それが自分でコントロールできない為に、時としてその行為が攻撃的であったり、その子自身や周囲の子に危険を伴う場合があります。
また、光の場合で言うと、相手に砂をかけたり背中を押したりするのは、光にとっては友好の印だったりするわけで、それを突然『謝らせる』というのは100%いい方法とは思えないのです。

謝らせる前に、今のは良くない行動であったこと、されたほうは嫌な気持ちになること等を教えていくというステップが必要なんじゃないかなとか思うのですが・・・

う~~~~んん
どうするのがベストなんかなぁ・・・




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